|
本研究は、環境負荷の高いセメントや鉄筋、環境資源である天然の砂や砂利などを使わず、廃棄資源のみからなるコンクリート(廃棄資源コンクリート)や里山荒廃の原因となっている竹を複合化した新しい環境配慮型構造材料の実用化に向けた実験を行い、その適用法を提案するものである。
本実験では、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、脱硫石こう、高炉スラグ骨材、再生骨材などからなる廃棄資源コンクリートを製造し、耐凍害性、耐酸性、耐硫酸塩性などを調査するとともに、補強材として用いる竹の耐水性や補強効果を検討し、これらの問題点や改善策を検証した。
本研究成果として、廃棄資源コンクリートは、耐凍害性、耐酸性、耐硫酸塩性に問題を有するが、ビニロン繊維、ポリマー混和材、高性能減水剤、フライアッシュ、AE 剤などを用いたセメントモルタル製永久型枠の使用で改善すること、廃棄資源コンクリートに用いる無処理の竹は、耐水性や補強効果に問題を有するが、樹脂や砂を接着することで改善すること、液体窒素を用いる凍結融解試験は、通常の方法に比べて消費電力や試験時間の面で有利となることなどが確認できた。
|
