研究概要 |
厨房施設より回収されるグリストラップ汚泥を生物学的処理法によって減量化させ,さらに再資源化することができれば,産業廃棄物の削減や省エネルギー化に大きく貢献できると考えられる.近年,産業廃水や都市下水の処理法の一つとして期待されているUASB+DHSシステムの処理性能を確認することは,高濃度有機性廃水に対する省エネルギー型処理法の確立につながる.20年度では,UASB+DHSシステムの有効性を得るために,UASB+接触酸化システムとの処理性能を長期間の連続実験を行って比較検討した.以下に得られた知見を示す. 1 UASB+DHSシステムで連続処理を行った結果,好気処理水のCODcrは,UASB+接触酸化システムで得られた平均221mg/lから平均141mg/lに低減し,CODcr除去率は平均95.4%から平均96.5%に向上した.これより,UASB+DHSシステムは省エネルギー型処理法として有効であることが確認された. 2 処理温度を30〜40℃から15〜20℃まで低下させた場合,UASB処理水のCODcrは平均258mg/lから平均587mg/lまで増加した.これより,UASB槽における槽内温度の低下は処理性能に影響を及ぼすことを確認した. 3 UASB槽で生成した消化ガスのメタン含有率は平均83%で,メタン転換率は平均76%であった.これより,UASB法によるメタンの燃料としての回収は有効であることを確認した.
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