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2008 年度 実績報告書

黄銅表面からの鉛ナノウィスカー自然発生現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20510092
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

孫 正明  独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 主任研究員 (70344190)

研究分担者 橋本 等  独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, グループリーグ (70357771)
キーワード鉛 / ウィスカー / 自然発生 / 環境 / 健康 / 低融点金属
研究概要

黄銅の切削加工性を向上させるために、鉛を数パーセント添加した。我らは、鉛黄銅材料における鉛ナノウィスカーの自然発生現象を発見した。これまでに、Sn、Cd、Bi、Znなどの低融点金属のウィスカーの室温自然発生や高温でのAlウィスカーの自然発生が報告されており、金属間化合物の生成による体積膨張や熱応力の影響など、種々のメカニズムが提唱されてきた。しかしながら、いずれのモデルも他の実験結果との矛盾が多く、統一的な説明を可能とするモデルは確立していない。黄銅から発生する鉛ナノウィスカーも、これまでに提案されたメカニズムでは説明できない。Cu-Zn合金の結晶粒界に分布している鉛が残留応力によって機械的に押し出される、または、再結晶により試料表面から成長する、などのモデルが考えられるが、このようなモデルの検証・解明が本研究の最終的な目標である
鉛黄銅材料における鉛ナノウィスカー発生の全体像を明らかにするために、各種市販鉛黄銅合金(C3604、C3712、C3771、C4622、C6782、C2801など)を入手し、切削加工により試験片を作製してから光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などの手法により調べた。その結果、すべての黄銅合金の表面から室温において鉛ナノウィスカーの自然発生現象が確認された。また、鉛含有量の高い黄銅合金により多くのウィスカーが自然発生することがわかった。観察された鉛ウィスカーの直径は数十から数百ナノメートルであり、長さは数百マイクロメートルまでであり、密度が300本/平方ミリに達したこともあった。これらの成果を日本金属学会春期大会などの場で発表した。次年度からは、これらの黄銅試料を異なる表面処理を施し、ウィスカーの自然発生現象への影響を調べ、またウィスカー発生が黄銅結晶粒の方位との関係を明らかにすることを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 自然発生型金属ウィスカー:古い現象・新しい挑戦2009

    • 著者名/発表者名
      孫正明、橋本等、杜宇雷、田無辺
    • 学会等名
      日本金属学会2009年春期大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] 黄銅表面からの鉛ナノウィスカー自然発生現象2008

    • 著者名/発表者名
      孫正明、橋本等
    • 学会等名
      産総研第2回ナノテクテクノロジー・材料・製造分野研究交流会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2008-11-04

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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