研究課題
平成21年度は、超高分解能イオン移動能装置開発の第2段階としてイオントラップを用いた気相移動度測定システムを開発した。この新しいシステムでは積層リング型構造を持ち、電極間に20kHz,600Vppの高周波電場(RF)と数Hz,10Vppの低周波電場(LF)を印加する。RF電場の周波数はイオンの移動に比較して十分に早いため、イオンは電場の絶対値が小さい電極中央部分に収束される。収束したイオンをLFにより大気中を移動させ移動速度とLF電場の大きさから、イオンの移動度および構造を推測する。今回はイオントラップ気相移動度システムの挙動を詳細に観察するために、10kVの高電圧を印加した霧吹きにより食塩水荷電微粒子を用いた。これらを半導体レーザーにより照射し光散乱を観測する。LFの電圧変化を20V程度に、周波数変化を数Hz程度にすることにより、荷電微粒子の振幅変化を調べ、直径20μm、比電荷m/z=2×10^8程度の粒子であることを明らかにした。さらに、トラップされる寿命が2時間以上であり、十分な移動度測定において感度と精度が実現された。今後は荷電微粒子ではなくナノ物質イオンへ適用し、構造測定と構造制御を実現する。
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