研究課題
本研究の目的は高純度2層カーボンナノチューブ(DWCNTs)を用い、高電気及び高光学的透過率であるDWNT透明導電膜の合成である。しかし、本来のDWCNTsが持っている優れた性質を生かには分散技術の確立と光学物性の確認が重要である。界面活性剤及びDNAを用いて孤立したDWCNT分散液を得て、その分散液の光学特性を評価した。(1)DWCNT分散技術の確立と光学特性評価:様々な界面活性剤を添加し超音波処理と超遠心処理で得られた孤立DWNT分散液が得られた。そしてフォトルミネッセンス及びUV吸収分析を通してDWCNTの分散状態が孤立したことを確認した。SWCNTに比べて、DWCNTは内外層の相互作用による優れた分散能力を見せるし、内部チューブからは安定かつ高い蛍光を証明した。(2)DNAによる分散手法の確立:DNAを用いてDWCNTの単体状態までの分散化を行った。DNAは、一般的に使われる界面活性剤である分散剤、SDBSと比較して、DWCNTに対して優れた分散能力を有していた。また、ssDNAは、dsDNAより高い分散能を示した。特にナノチューブ分散溶液のpHを低下させることで大きな直径(1nm以上)をもつチューブが選択的に凝集することを見いだした。この現象を利用し、pH変化と遠心の組み合わせにより簡単に分離できる直径による選択的な分離が可能であることを明らかにした。(3)DWCNT/高分子透明膜の合成:外部チューブに選択的な修飾とin-situ polymerization方法で得られたDWCN/高分子透明膜は強くて、高い伝導特性と共に透明であることを証明した。
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