研究課題/領域番号 |
20510097
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
新藤 斎 中央大学, 理工学部, 教授 (90245986)
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研究分担者 |
二木 かおり 中央大学, 理工学部, 助教 (10548100)
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キーワード | 結晶力学 / 摩擦・磨耗 / カルサイト / 滑り / 結晶のモルフォロジー / 硫酸塩結晶 / アラゴナイト型結晶 / 原子間力顕微鏡 |
研究概要 |
結晶表面の機械的変形については、カルサイト表面への集中荷重による滑りの極端な非対称を見出し、塑性変形の起こるメカニズムと磨耗現象との関連を明らかにした。研究成果を日本物理学会で報告した。蛍石表面の磨耗に伴う滑り変形については既報の{100}-<110>滑りのみが確認された。硬石膏については、滑り変形と劈開の区別が難しく、滑り方向を定めるまでには至っていない。摩擦の測定法については、食塩を例として総合論文にまとめた。 液相を通じての単結晶表面形状の変化については、平面三角形の炭酸イオンを含む結晶の安定性を三つの鉱物で比較し、サイズが大きくて分極しやすい鉛イオンが表面電荷の分布の偏りを緩和することを明らかにした。同種の結晶でも様々に異なる形の鉱物となる原因を明らかにすることができた。この成果は次年度に論文として発表するほか、国際会議でも報告予定である。正四面体の硫酸イオンを含む硬石膏については、結晶の形が異なる成長環境の中でどのように形を作っていくかが明らかになったので、論文としてまとめ、新規な研究手法として紹介した。 アルカリハライドについてはNaClの結晶間架橋のメカニズムについて論文としてまとめた。しかし、同類のNaFやKClでは架橋が起こらないことが分かり、その理由を調べた。NaFは溶解度が小さいことが理由だが、KClについては溶液の這い上がり現象によることが分かった。 前年度まで行ったガラス状炭素材料に関する課題については、酸化剤の作用の違いについてセラミックス協会の年会で報告した。
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