研究概要 |
GaN系半導体光電極を用いた可視光照射水分解の効率を上げるために、 1、水分解反応サイトの高密度化、および発生した水素原子によるアクセプタ不純物のパッシベーションを防ぐ目的で表面ナノ構造TiO_2/p-InGaNヘテロ構造の適用を提案した。 2、表面ナノ構造TiO_2/p-InGaNヘテロ構造の光電流スペクトルから、In組成12%までの可視応答InGaNを用いると、光励起で生成した電子がTiO_2/InGaNのバンド端不連続に妨害されず、ナノ構造TiO_2/電解液界面に移動し水を分解して水素が発生することを明らかにした。 3、サイクリック・ボルタンメトリー法を用いて、GaN, InGaN, TiO2/GaN電極の還元力評価を行った。白金電極、TiO2電極では水素から電極への電子の戻り反応が起こるのに対し、GaN系半導体の伝導帯端のエネルギー位置が水素発生電位よりも高い(フラットバンドポテンシャル測定より0.5eV以上)ことを反映して、GaN、InGaN、TiO2/GaN電極のいずれも電極から電解液への電子注入が効率よく一方向に起こることを明らかにした。 4、ガスクロマトグラフにより100μAレベルの光電流によってp-GaNの光照射で発生した水素ガスを定量的に計測できることを確認した。
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