本研究の基礎となる基盤研究(C)(2004-2007年度)の敵対・紛争の数理モデルとシミュレーションモデルを抜本的に進展させて、共生と自律の振幅について内部モデル原理に基づくプロトタイプモデルを構築した。まず、数理モデリングアプローチにより、ハイパーゲーム、ドラマティックモデルを含む広範囲の数理的アプローチに対して、例えば、ゲーム理論は客観的内部モデルを仮定することを指摘するなど、内部モデル原理の視点から体系化を行い、モデル化の骨格を飛躍的に革新した。次に、シミュレーションアプローチによりランドスケープモデルと敵対分析プログラムを融合して、革新的な自律と共生の振幅のプロセスを記述する革新的なソフトウエアを開発した。さらに、PSM :問題構造化手法)実際の問題を構造化し、それらを特徴づける基本構造とパラメータを明らかにした。以上により、自律と共生の折り合いに対して、数理的モデル・シミュレーションモデル・問題構造化手法の内部モデル原理による統合という着想を定着させ、そのプロトタイプを完成させ、合わせて3 年間の研究の出発点として、企業間関係・国際関係など幅広い問題状況に対して、自律と共生を記述するだけでなく、共生の達成の処方箋を提供できるように周到な計画を行った。
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