研究概要 |
通常,ある工程(期間)が納期(制約)を満足するかどうかは前工程(前の期間)の状態に依存するが,このようにリスクが過去の状況に依存し,さらに複数の期間にわたり反復的(サイクリック)にリスクが発生する状況を総称して表現するモデルを多期間制約サイクルモデルと呼ぶ。また,各工程において加工が遅れた場合にその影響が後工程に直接依存しないモデルを特にリセットモデル,一方その影響が後工程に直接影響があるモデルをノンリセットモデルと呼ぶ。 本年度は,本研究を進めるための準備として,多期間制約サイクルモデルとして考察されうるモデル調査のために国内外の文献調査をし,特に多期間制約問題を対象としたバランシング・アプローチによる体系化を行なった。さらに,多期間制約モデルの解析として (1) ノンリセットモデルに対して,納期遅れの調整政策として (1-1)基準工程によって加工スピードを切換える政策と (1-2)基準工程によって加工スピードを切換える政策を考え また、加工時間が (2-1)指数分布に従う場合と (2-2)任意の分布に従う場合 に、それぞれの政策の下での 1) 期待コストの導出、そして 2) 数値実験により最適な基準工程と基準時間の導出・考察 を行った。 (2) リセットモデルに対しても、 1) 期待コストの導出 を行い、さらに各工程への作業者の配置問題について 2) 作業者が2種類の場合の最適配置の導出 を行った。
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