研究課題/領域番号 |
20510141
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
神林 靖 日本工業大学, 工学部, 准教授 (40269527)
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研究分担者 |
辻村 泰寛 日本工業大学, 工学部, 准教授 (80240977)
山地 秀美 日本工業大学, 工学部, 准教授 (20327018)
滝本 宗宏 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (00318205)
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キーワード | 移動エージェント / 最適化アルゴリズム / 群知能 / 移動ロボット |
研究概要 |
本研究は、きわめて多数の群ロボットを効率よく任意の集団へとまとめることを目的としている。考えられるアプリケーションは空港などで見かけるカートである。カートは決められた場所から旅行者によって取られ、不要になった時点で任意の場所に放棄される。再度集めるのはかなりの重労働であるが、現在では世界中の空港ですべて人手によって集められている。われわれは、現実的な解決法として、カートであるロボットが、最小のコスト(移動距離)で、ある程度の集団にまとまり、それを人手で回収する方法を提案した。これまで研究してきた階層型移動エージェントとアントコロニー最適化手法あるいは遺伝アルゴリズムをくみあわせることにより、知的なロボットが実現できるはずである。平成22年度の成果は次のとおり。 1. 回収された位置から最適な集合場所を、進化計算を用いて算出した上で、集合位置のみならず、最適な経路を、新たなシミュレータを組み込むことで求めることができるようになった。 2. 1.の算出を繰り返し行うことにより、ロボットの移動に合わせて、新しい経路を求める。1.のシミュレータを複数回実行させることにより、可能になった。最適な回数を求める実験を行った。 3. ロボットを集合させ、全体で要した費用(モーターの駆動時間、移動距離、バッテリ容量等)を計測した。 今年度の新しい試みとして、現状では集中して行っているアントコロニー最適化の計算を分散させた、分散アントコロニークラスタリングアルゴリズムを考案し実装した。具体的には、アントェージェントとフェロモンエージェントという移動エージェントを導入し、移動ロボットを含めたシステム全体でアントコロニー最適化の実装を行った。これまで提案され報告されているアントコロニー最適化システムはシミュレータ上のものであり、実際のロボットを使った実装は、われわれが初めてである。移動ロボットによる実装ではなく、移動ソフトウェアエージェントによる実装なので、効率上の問題はない。中央制御を不要にすることができた。フェロモンをソフトウェアエージェントで実装することにより、単にロボットを集合させるのみならず一列に整列させる実装も行なった。検証実験を継続している。
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