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2009 年度 実績報告書

株式市場における投機的バブルと暴落のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20510142
研究機関国際基督教大学

研究代表者

海蔵寺 大成  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10265960)

キーワード金融経済学 / ファイナンス / 経済物理学
研究概要

実証研究として、マルチファクター・モデルを用いて、インターネット・バブル期とその崩壊期の最適ポートフォリオの収益分布を日ごとに描き、統計的性質を分析した。全期間の最適ポートフォリオのリターン分布が負の方向に長い歪んだ分布になっていることが分かった。この結果は、最適ポートフォリオを計算し株式のリスクをコントロールしようとする機関投資家(たとえば、年金基金)がバブル期にIT銘柄を大量に保有し、リスクを負う結果になっていることを示唆している。この理由は規模ファクターをモデルに取り入れることで、ITバブルで資産規模が拡大した株式銘柄が高いウエイトでポートフォリオに含まれるようになり、バブルが成長する段階でそのウエイトが徐々に高まってゆくことがわかった。
理論研究として、バブルの生成と崩壊が自律的に起きるメカニズムを説明する理論モデルを提案した。CAPMに従う合理的投資家と他の投資家の行動から自らの行動が影響されるノイズトレーダーが共存するモデルを考え、ノイズトレーダーが他の投資家の投資行動と同時に、株価のモメンタムに従って投資態度を決める、モメンタム・ストラテジーをとる場合、バブルの生成と崩壊が自動的に起きることを理論的に示した。為替市場において、ポートフォリオ・セレクションを行う合理的投資家とキャリー・トレードを行う投資家を仮定すると、同様のメカニズムで、為替レートのバブルとクラッシュが起きることも示せた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Market Bubble and Crash2010

    • 著者名/発表者名
      T.Kaizoji
    • 雑誌名

      Encyclopedia of Quantitative Finance, John Wiley & Sons Ltd. Vol.2 No.1

      ページ: 1-15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Root Causes of Housing Bubble2010

    • 著者名/発表者名
      Taisei Kaizoji
    • 雑誌名

      Econophysics Approaches to Large-Scale Business Data and Financial Crisis

      ページ: 173-182

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect on Eigenvalue by Changing Sample Size in the Korean and Japanese Stock Markets2009

    • 著者名/発表者名
      C.Eom
    • 雑誌名

      Physica A 388

      ページ: 4780-4786

    • 査読あり
  • [学会発表] A Mechanism of Collapsing Bubble2009

    • 著者名/発表者名
      Taisei Kaizoji
    • 学会等名
      15th Conference on Society for Computational Economics 2009
    • 発表場所
      Sydney, Australia
    • 年月日
      20090715-20090717

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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