研究課題
本研究では、経営工学的知見を集約した情報構造化手法を開発すると共に、様々な経営学、経営工学上の諸問題を対象として、提案手法の有効性を実証的に示すことを目的としている。平成20年度は、優良Webショッピングサイトの特徴分析、企業のCSR(Corporate Social Responsibility)報告書に基づくCSR活動分析手法の構築、価格プレミアム要因の構造分析、ユーザレビューに基づくマーケティング分析といった複数の問題を取り扱い、それぞれを平行して研究することにより、統一的な枠組みとしての“情報の構造化"についてその一般的方法論の検討を行った。その際、テキストマイニングの技術に加え、経営工学的視点に基づく、特徴語の構造モデルを構築し、テキストデータを自動分析するための方法論を提案すると共に、様々な実データの分析によって方法論の検証を行った。その結果、化粧品や宿泊施設、自動車、携帯電話などの様々な製品やサービスに関して、消費者が個別に評価を論じているWeb上の評価サイトに蓄積された情報から、多くの有用な知見が抽出できることが明らかとなった。また、関東圏にレストランチェーンを展開する実企業との共同研究によって得られた顧客アンケートデータを構造化し、分析結果を可視化することで、様々なサービス品質の改善案の提案が可能であることを示した。さらには、テキストデータの分析手法に関する理論的研究として、多次元空間上でテキストデータの距離構造を測定した際のメトリックの漸近的挙動について理論解析し、余弦尺度の有効性やIDF Measureの特性について明らかにした。以上の結果は、日本経営工学会、経営情報学会International Symposium of lnformation Theory and its Applioationsなどの国内外の学会で発表を行った。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件)
武蔵工業大学環境情報学部, 情報メディアセンタージャーナル Vol. 9
ページ: 91-101
ページ: 102-110
日本経営工学会論文誌 Vol. 59, No. 2
ページ: 145-154
日本経営工学会論文誌 Vol. 59, No. 5
ページ: 365-375