研究課題
平成21年度は、某企業の事例を研究対象とし、情報構造化と多変量解析に基づく分析を駆使した業務改善とサービス品質の向上を目的とする事例研究を行うことにより、現場レベルでの経営工学的応用研究を行った。ここでは、実際に顧客から得られたテキスト形式による膨大なアンケートデータを分析対象とし、構造化と分類による体系的な視点からの分析結果を得た。その結果とPOSデータの分析、顧客行動分析を組み合わせることによって、顧客がサービスによって得ているベネフィットを明らかにした。一方、Web上に蓄積される自然言語データを活用したマーケティング分析の方法論についてさらに研究を推し進め、いくつかの興味深い知見を得た。まず、基礎的研究としてテキストデータを解析し、意味のある情報を抽出するための分析手法について研究を行い、潜在的意味モデルをベースとしたいくつかの分析手法を提案した。これらの基礎研究では、ベイズ統計と符号理論の知見を援用し、テキストデータの分類整理手法の高精度化を目指した分析手法の提案を行っている。また、これらの自然言話の分析手法の応用研究として、Web上に投稿されるユーザの評価データを活用し、製品の機能やスペックから決定される価格以上に上乗せされる価格プレミアムの要因を分析する手法を提案した。実際に、軽自動車とセダンを対象とした二つの分析を行い、その結果を考察している。以上のように、本研究では理論的側面と応用的側面の双方から研究を行い、それぞれ新たな成果を得ることができた。
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電子情報通信学会, 技術研究報告IT2009-10 Vol.109, No.143
ページ: 31-36
ページ: 25-30