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2009 年度 実績報告書

人工肺と組織細胞を用いた呼吸器・代謝系非動物実験による火災ガス毒性評価方法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20510167
研究機関大分工業高等専門学校

研究代表者

小西 忠司  大分工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00225468)

キーワード火災ガス / シアン化水素 / 毒性評価 / 非動物実験 / セルライン / A549 / 高気密高断熱 / FTD検出器
研究概要

近年,住宅の高気密高断熱化が普及しており,一端,火災が起きると低酸素濃度環境が形成される.その結果,居住者は,OA機器に使用されるアクリル樹脂,ABS樹脂,寝具や座布団に使用されるポリウレタンや新建材から発生した一酸化炭素,シアン化水素,塩化水素,ホルムアルデヒド,アンモニアなどの有毒ガスに暴露される.火災ガスの毒性評価は,従来までラットやマウスなどの動物実験をモデル火災建物あるいは燃焼装置を用いて行われてきた.昨今,欧州を中心に動物実験を廃止もしくは最小限に抑制する世界的な動きがある.本研究は,気密性建築物火災等で起こる低酸素濃度環境で生成する火災ガスが,居住者や消防職員に与える生理的影響をセルライン細胞により構築した呼吸器・代謝系の非動物実験において明確にし,火災ガスの基礎的毒物性の評価を行った.
試験材料として,シアン化水素発生源であるポリウレタン,ポリアミド,ポリアクリロニトリル,ABS樹脂の4種,生分解性プラスチックのポリ乳酸を選定した.卓上焼却炉に試験材料を入れて一定温度で加熱する.燃焼ガスは,冷却管を通り,CO2インキュベーターに設置した角形ジャーに導く.角形ジャー内部には培養ディシュに播種したA549を設置する.比較対照としてCO2インキュベーターに火災ガスに暴露されない培養ディシュのA549を設置する.シアン化水素は,ガスクロマトグラフFTD検出器で測定する.
コントロールとして火災ガスに暴露されていないA549の増殖曲線を得た.A549は,誘導期0~3日,対数増幅期3~15日であった.この結果から,今後の火災ガス実験において暴露期間は14日とする.卓上焼却炉でポリウレタンを燃焼させた結果,シアン化水素の発生が30ppm以上であることをシアン化水素濃度計で確認した.今後,本実験装置でA549に対する火災ガス暴露実験を行い,コントロールとの比較を行う.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (7件)

  • [学会発表] ごみ固形燃料からの水素生成に関する研究第一報:水素生成の最適条件および水素生成菌の同定2010

    • 著者名/発表者名
      長塚直樹, 鳴海明, 飯田泰広, 小西忠司
    • 学会等名
      第26回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-01-26
  • [学会発表] 木材からのバイオエタノール生成に関する研究(凍結処理導入による糖抽出への効果)2010

    • 著者名/発表者名
      長島巧, 鳴海明, 飯田泰広, 小西忠司
    • 学会等名
      第26回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-01-26
  • [学会発表] 植物細胞を用いた過冷却制御に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      江口暁美, 鳴海明, 飯田泰広, 小西忠司
    • 学会等名
      第22回バイオエンジニアリング講演会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2010-01-09
  • [学会発表] 廃棄物系バイオマスによる可燃性ガス発生危険度評価手法の構築(ゴミ固形燃料のメタゲノム解析)2010

    • 著者名/発表者名
      小西忠司, 山田健太郎, 小原裕治, 鳴海明
    • 学会等名
      第22回バイオエンジニアリング講演会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2010-01-09
  • [学会発表] Legionella pneumophilaと自由生活アメーバAcanthamoeba castellaniiの寄生関係とバイオフィルム構造に与える温度依存的影響2010

    • 著者名/発表者名
      小西忠司, 西園晃
    • 学会等名
      第22回バイオエンジニアリング講演会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2010-01-09
  • [学会発表] Scale Model for Simulating Microorganism-derived Explosion in Biomass Storage2009

    • 著者名/発表者名
      T.Konishi, A.Narumi
    • 学会等名
      Proceedings of Sixth International Symposium on Scale Modeling
    • 発表場所
      Kauai, Hawaii, USA(CD-ROM 10 pages)
    • 年月日
      2009-09-14
  • [学会発表] Scale Modeling of Air-dropped Water for Aerial Firefighting against Urban Fire2009

    • 著者名/発表者名
      H.Kikugawa, T.Konishi, K.Hirano
    • 学会等名
      Proceedings of Sixth International Symposium on Scale Modeling
    • 発表場所
      Kauai, Hawaii, USA(CD-ROM 8 pages)
    • 年月日
      2009-09-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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