研究課題/領域番号 |
20510187
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
桑原 知巳 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60263810)
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研究分担者 |
中山 治之 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80294669)
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キーワード | ヒト腸内菌 / 難培養性細菌 / 菌叢解析 / ゲルマイクロドロップ法 / 16S rDNA / Segmented filamentous bacteria / ゲノム / シークエンス |
研究概要 |
ヒト常在菌叢の全体像は未だ明らかにされていない。特に常在菌叢の大半を占めると考えられている難培養菌の実体はさらに不明である。本研究は、ヒト最大の常在菌叢である腸内フローラを題材として、この中に含まれる難培養菌の実体を明らかにすることを目的としている。近年マウスにおいて腸内難培養菌であるsegmented filamentous bacteria(SFB)が、腸管におけるCD4陽性T細胞のTh17サブセットを特異的に誘導することが報告され、本菌の生物性状に大きな関心が寄せられている。本年度はマイクロマニピュレーターを用いて顕微鏡観察下に回収したSFBからmultiple displacement amplification(MDA)法によって増幅したゲノムDNAを使用し、ショットガンライブラリーを作製した。テストシークエンスによりライブラリーの品質評価を行った結果、平均GC含量は31%であり、SFBがlow GC含量の細菌群に分類されることと一致していた。また、ショットガンリード中にSFBの16S rDNA配列が見出されたため、SFBゲノムに由来するDNA断片が挿入されたショットガンライブラリーが作製できていると判断した。このライブラリーを用いてSFBの全ゲノム配列解読を進めている。また、マウス由来のSFBは無菌マウス腸管内で増殖させることが可能なため、SFBのノトバイオートマウスを作製した。このノトバイオートマウスの盲腸内容物よりDNAを抽出した。このDNAを用いて16S rDNAをPCR増幅した後ダイレクトシークエンスを行った結果、SFBの16S rDNA配列と99.4%の相同性を示した。ダイレクトシークエンスにより得られたクロマトグラムはシングルピークであり、純度の高いSFBゲノムが取得できたと考えられる。現在このDNAも使用してショットガンライブラリーを作製し、全ゲノム配列決定を行っている。
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