研究課題
1)去年確立した方法を用いて、トマトのマイクロトム果実の各ステージ(緑、黄色、オレンジ、赤)よりプラスチドタンパク質を単離し、SDS-PAGEにより質量別に大まかに分離した。タンパク質をゲル内消化、溶出し、LC-MS/MSを用いてショットガンプロテオミックスを行ない、果実の成熟に伴うプラスチドプロテオームデータの比較を行なった。4ステージに共通して検出されるプラスチドタンパク質が多かった。2)2次元電気泳動法を用い、果実成熟に伴い増減するプラスチドタンパク質の探索も平行して行なった。3)プロテオームデータやマイクロアレイデータをもとに、果実の成熟にともない発現が上昇する4つのタンパク質遺伝子のRNAi変異体の作成を試みた。その結果、オレンジステージのプラスチドに多く蓄積しているリポカリンタンパク質のRNAi植物が完成し、その植物体が果実を付けた。果実の成熟が赤い果実のステージまで成熟がすすんだ後、赤色は退色するが、其の退色スピードが野生型と比較して速いように観察された。今後、詳しい表現型の解析を行なう。4)EMS処理により作成したオレンジ色の果実をつける変異体を得、その変異体の解析を開始した。果実細胞のプラスチドの形態観察やカロチノイドの成分調査などを行なった。5)白い果実、黒い果実のトマトのプラスチドを単離し、2次元電気泳動法を用い、プラスチドタンパク質の比較を行なっている。
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Plant J 61
ページ: 339-349
Plant J (In press)