殆どのペプチドホルモンは、生体内で、前駆体タンパク質として産生し、その後、変換酵素により、生理活性ペプチドに成熟する。しかし、この時、切断されるプロ領域あるいは前駆体そのものの機能については全く研究が進んでいない。 我々は、ペプチドホルモンの正しい生理活性構造の構築には、その前駆体蛋白質中のプロ領域が分子内シャペロンとして必須であることをウログアニリンについて証明した。そこで、プロ領域による生理活性構造の構築機構、即ち、分子内シャペロン機能の解明を目的とし、本研究を行っている。 その手法として、(1)変異前駆体の立体構造形成および結晶構造について調査する。 また、(2)前駆体中に存在するペプチドホルモンの立体構造が生理活性構造そのものに相関することから、プロ領域により捕獲されるペプチドの立体構造を指標とし、新規生理活性ペプチドのde novoデザインを行う。
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