研究課題/領域番号 |
20510217
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
石井 実 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (80176148)
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研究分担者 |
広渡 俊哉 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20208896)
中山 祐一郎 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (50322368)
平井 規央 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (70305655)
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キーワード | 外来生物 / 遺伝子撹乱 / 在来種への影響 / 地表性甲虫 / シルビアシジミ / 小蛾類 / ミトコンドリアDNA / 寄主植物選好性 |
研究概要 |
広義の里山への外来生物の侵入状況を近畿地方の里山林と河川周辺を中心に調査した。 淀川河川敷では、早春のヨシ焼きで知られる鵜殿のヨシ原などで地表性甲虫を主体とする野外調査を実施したが、外来種の侵入は認められなかった。しかし、調査の過程で高槻市の淀川河川敷に要注意外来生物のホソオアゲハが侵入し、同じウマノスズクサを食草とする在来種のジャコウアゲハと同所的に発生していることが明らかになった。今後の動向を見守る必要がある。 (財)大阪みどりのトラスト協会が里山林の管理を実施している能勢町の「三草山ゼフィルスの森」において、鱗翅目昆虫の周年調査を行った。チョウ類についてもガ類についても、外来種の侵入は認められなかったが、野生獣の食害による林床植生の劣化が疑われた。大阪の北部には特定外来生物のアライグマも侵入していることから、次年度は詳細な調査を実施する。 これ以外にも、今年度は、里山林におけるアルゼンチンアリなどの侵略的な放浪アリ類の侵入状況調査、里山の水域における水生動物調査、外来種シロツメクサに寄主転換したシルビアシジミ大阪個体群の寄主植物選好性と共生細菌、遺伝的多様性との関係の解析、最近、日本の西南部に急激に分布を拡大したクロマダラソテツシジミやイチジクヒトリモドキの分布変化と生活史調査などを実施し、現在解析を行っている。
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