研究課題
平成20年度、沖縄群島の小島嶼に分布する絶滅危惧種に関して下を行った。1)固有性調査と分類学的再検討伊平屋島において八重咲きのヘツカリンドウ(リンドウ科)を発見し、新固有品種(ヤエザキヘツカリンドウ)として記載した。琉球列島の固有種3種を含めた日本産シオン属(キク科)における染色体比較を行い、琉球列島固有種のオキナワギクとイソノギクは他の日本産の狭義シオン属よりも染色体が小さいことを明らかにした。伊是名島・久米島のみに分布するイトスナヅル、伊是名島のケスナヅルと広域分布種のスナヅル(全てクスノキ科)が外部形態に加え、分子レベルでも分化をしていることが示唆された。2)植物園における自生地外保全エノキフジ、マルバハタケムシロ、イソマツ、テンノウメ、ヤエヤマスズコウジュ、リュウキュウハナイカダ、ヒロハケニオイグサ、ハマジンチョウなど伊是名島、伊平屋島、久米島の環境省指定絶滅危惧植物36種類を合法的に採集し、筑波実験植物園における系統保存を開始し、低温(夏季)・多湿を維持した特殊栽培環境の検討を行った。3)生物特性データベース構築平成20年度に沖縄群島小島嶼において採集された標本140点において、画像電子化、自生地状況データの入力を行った。4)その他本研究課題によって得られた成果を平成20年度に開催された企画展「琉球の植物」(国立科学博物館本館)、企画展「絶滅危惧植物展」(筑波実験植物園)の展示の一部として活用し、絶滅危惧植物の問題についての社会発信に寄与した。
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植物地理・分類 56
ページ: 22-24
Bulletin National Museum of Nature and Science, Ser. B 34
ページ: 153-159
ページ: 75-82