平成20年度は主として、基礎的なデータの整備を行った。研究代表者および研究分担者が共通のGISソフトウェアを導入し、地図データのデジタル化作業を行い検討を進めた。また研究代表者が現地調査で収集したデータを入力した。こうして作成された資料は、民族紛争の生態学的基盤を説明するために必要なものであり、次年度以降もひきつづきデータの収集と入力を行う予定である。この作業においては作業補助金を雇用する予定であったが、代表者および分担者による作業で十分に行うことができた。 また東アフリカ地域における民族紛争に関する研究書籍を購入し、適宜参照できるようにした。 研究成果としては、英文誌への投稿論文を執筆し掲載することが出来た。この論文ではエチオピア南部オモ川下流域における民族間関係に関する民族誌データを、従来公刊されてきた文献資料から収集し、再検討を加えた上で、主として民族紛争と民族アイデンティティの問題を、エスノヒストリーの観点から検討し直したものである。
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