1. 現地調査の成果 場所:中国四川省甘孜州徳格県、甘孜県、白玉県、色達県、康定県期間:2010年7月28日~8月11日目的:四川省チベット地区における中国共産党のチベット政策・宗教政策に関する現地調査成果:(1)デルゲ(徳格)印経院の経典印刷状況を調査した。動画を撮影し、印刷事業の現状を知るための資料を入手した。ツェワン・ジメ院長と会談し、文化大革命時期の印経院保護に尽力した政治指導者に関する情報を得た。外国人のチベット自治区入域状況に関する調査を実施した。(2)白玉(ペユル)県にてヤチェン修行地(亜青寺)の宗教カリスマに関する調査を実施した。主にアチュウ、アソン、プッダ活仏のカリスマ権威について、漢人僧尼・信徒の動向という視点から新たな知見を得た。(3)色達(セーター)県のラルン五明仏学院を再訪した。2001年より定点観測を行い、計4回の調査内容を比較検討した。ジグメ・プンツォク圓寂後、学院を取り巻く政治的緊張及び経済活動について観察を行った。 2. 文献調査の成果 (1) 2009年に現地調査を行った石渠(セルシュ)県のソングマニ、ペーゲマニに関する文献を調査した。パンチェン・ラマ10世とセルシュ寺の関係について新たな発見があった。 (2) 2009年に現地調査を行った青海省玉樹県にて震災が発生した。被災状況及び中国共産党・政府指導者の民族政策・宗教政策に関する文献を調査した。
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