学校教育における男女共同参画の課題として、男女共学の研究は積み重ねられてきているが、男女共教の研究はわずかである。本研究の目的は、女性教師によって担われてきた家庭科に、高校家庭科男女必履修を契機に参入してきた男性教師に焦点をあて、フロントランナーの男性教師らが立ち上げたネットワークの変遷を追跡し、男性教師の参入を阻む制度的課題と、個々の教師の課題を解明することである。さらに、それらの知見を踏まえて、学校内に同僚教師が少ない教科にとっての教師のネットワークの構築と専門性を高める方策を検討した。 本年度は、現職教員の自主的なネットワークが、どのような機能を果たすのかを、男性の家庭科教員を目指す会を事例に探求し、制度的なバリアを変革するための大学の課題を見出した。教員養成系大学の家庭科教員を目指す男子学生の実態を調査した。 また、アクションリサーチに関する内外の研究動向を把握するために文献研究を進め、他領域のアクションリサーチの専門家と共に文献講読を重ね、アクションリサーチに基づいた男性家庭科教師を含めた家庭科教師のネットワークの育成の方法論を検討した。それらの知見に基づき、家庭科教員を対象としてワークショップを開催した。
|