研究課題/領域番号 |
20510251
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
三宅 義子 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (60264975)
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研究分担者 |
藤目 ゆき 大阪大学, 人間科学部, 准教授 (60222410)
纐纈 厚 山口大学, 人文学部, 教授 (00234691)
吉本 秀子 山口県立大学, 国際文化学部, 准教授 (00316142)
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キーワード | ジェンダー / 地域再生 / 米軍基地 / 女性史 / 安全保障 / 地方自治 / 市民運動 / 米軍再編 |
研究概要 |
本研究の課題は基地問題との関係で岩国市民の戦後史をとらえることであるが、とりわけ女性の意識に焦点を合わせているのは、基地という“政治領域"の問題と家族の歴史という“私的領域"の問題を統一的にとらえるためである。昨年は、三年前の住民投票以来顕在化した女性たちの意識と行動を理解するために「反基地」派、「基地容認」派双方を含んで、さまざまな階層、職業分野に及ぶ40数名の女性たち(男性も含む)の聞き取り調査を実施した。この数字は目標数値には達せず、キーパーソンの重点的聞き取りもいまだ、三名程度(市会議員、宗教関係者)にとどまっている。しかし、この一年間の調査で明らかになったことは調査者のなかで戦後史の時期区分が明確になったことである。それと同時に、被差別部落や在日コリアンに焦点を合わせて岩国の戦後史を掘り下げること、あるいは、「基地の街岩国」から「国際都市岩国」としてとらえるようになった岩国市民の意識の変化などのテーマ性をもつ問題を深く掘り下げることも課題として認識されるようになった。また、インフォーマントの語りを裏付ける資料調査を深化させる必要性も痛感される。調査対象をさらに広げることとテーマの掘り下げ--これを車の両輪として今年度のリサーチにつなげてゆく方針である。前者については、この一年間に爆音訴訟や米軍住宅への転用をめぐる愛宕山住民の反対運動などが活発になり、これらの運動の担い手たちを新たな調査対象に組み込む予定である。
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