本研究では、ドイツ労働組合のナショナルセンターDGBを対象とし、労働組合の女性たちの労組内外のネットワークのありようを分析し、労働組合女性部の限界と新たな可能性を考察した。DGB女性部が中心となり、労組外の女性団体と連携して、ジェンダーの問題を顕在化させる運動を展開していた。DGB女性部はジェンダーの主流化に向けて尽力してきたが、労組内では少数集団であり、女性部のみの取り組みでは限りがある。だが、ドイツ労働組合における雇用均等推進における女性部の存在意義は、女性部が外部の女性団体との連携を強化し、外圧による内部変革を刺激し続けることにあると認められる。
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