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2010 年度 実績報告書

太平洋沿岸域を利用する海鳥類をプラットフォームとした海洋環境動態観測網の構築

研究課題

研究課題/領域番号 20519002
研究機関名古屋大学

研究代表者

依田 憲  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (10378606)

キーワード海洋生態 / 環境変動 / 生態学
研究概要

海洋生物資源量は地理的、および、長短期の環境変動の影響を受けダイナミックに変化する。そのモニタリングは水産資源の持続的な利用と生物多様性の保全に必要不可欠である。本研究では、オオミズナギドリに動物装着型GPSデータロガーを装着することによって、海鳥の採餌域と採食行動から、海洋環境をモニターすることを目的とした。平成22年度は、8-10月にかけて、太平洋沿岸域を利用している岩手県船越大島個体群、新潟県粟島個体群、潜在的に太平洋を利用している可能性のある瀬戸内海宇和島個体群、長崎県男女群島個体群のオオミズナギドリに対して、GPSの装着を行った。データロガーは、防水テープを用いて親鳥に接着した。海での採食が終了して戻ってきた親鳥を再度捕獲し、データロガーを回収した。一部の個体群に対しては、データロガーの回収の際、オオミズナギドリから胃内容物を吐き出させ、採食した生物に関する直接的情報を得た。オオミズナギドリの採食域を人工衛星によるクロロフィルa濃度と比較した結果、男女群島個体群については繁殖地周辺よりも基礎生産量が高かったものの、岩手、新潟個体群のものでは明瞭な関係が無かった。衛星データによって分かるのは基礎生産量や物理パラメータのみであり、こうしたパラメータ値が高いからといって、オオミズナギドリが利用する魚類(カタクチイワシなど)が多いとは限らないためだろう。すなわち、衛星リモートセンシングによる海洋観測の相補的な手段として、海鳥を用いた浮魚類の海洋モニタリングが有効であることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Social interactions of juvenile brown boobies at sea as observed with animal-borne video cameras2011

    • 著者名/発表者名
      K.Yoda, M.Murakoshi, K.Tsutsui, H.Kohno
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Going the distance : the development of activity range in the juvenile brown booby2011

    • 著者名/発表者名
      H.Kohno, K.Yoda
    • 雑誌名

      IBIS

      巻: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] 海鳥の移動経路解析2010

    • 著者名/発表者名
      依田憲
    • 学会等名
      日本バイオロギング研究会第6回シンポジウム
    • 発表場所
      立川市(東京)
    • 年月日
      2010-07-29
  • [図書] 地球からのおくりもの2011

    • 著者名/発表者名
      依田憲(分担執筆)
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      風媒社
  • [備考]

    • URL

      http://web.mac.com/yoda_ken

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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