研究の目的は、死刑制度の是非について現代の日本において、どのようにして国民的合意が可能か、をカント倫理学の基本理念に立脚して、市民レベルで究明しようとすることである。 1)死刑存廃論、裁判員制度、犯罪被害者制度に関する、現在の日本や欧米の最新研究動向と基本文献を調査して購入し分析するために、大分大学(5/14-22)、武蔵野大学(6/18-20)、お茶の水女子大学(6/25-27)、愛媛大学(7/1-7)、明治大学(7/23-24)、法政大学(7/25)、関西大学(9/9-12)、慶応大学(10/9-10)、札幌大谷大学(10/28-31)、新潟大学(11/12-14)に出張して、同時に国内の研究者と意見を交換した。 2)ドイツでの最新研究動向と基本文献を調査し購入し、現地の研究者らと意見を交換する予定だったが、旅費がなくなったため中止した。 3)近代倫理の3様態が本研究課題の方法論的視座として有効かどうかを検証するために大分大学(日本哲学会第69回大会、5/16)、お茶の水女子大学(地球システム・倫理学会第6回大会、6/26)、愛媛大学(京都ヘーゲル読書会夏季研究会、7/4)で発表。 4)研究期間全体の研究成果を総括して、最終報告書として論文「ポスト・モダン社会における宗教の意義-裁判員と死刑-」を作成し、平成23年5月15日に武蔵野大学日曜講演会で招待講演の予定。
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