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2011 年度 実績報告書

20世紀の形而上学(ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン)

研究課題

研究課題/領域番号 20520021
研究機関九州大学

研究代表者

細川 亮一  九州大学, 人文科学研究院, 教授 (10091208)

キーワード形而上学 / 反形而上学 / 論理実証主義 / ウィーン学団 / コペルニクス的転回 / 超越論的哲学
研究概要

20世紀の形而上学を解明するために、まず1930年のシュリックに定位した。シュリックはウィーン学団の指導者であり、論理実証主義の宣言書『科学的世界把握』はシュリックに捧げられた。1930年にウィーン学団の雑誌『認識』第一巻が出版され、シュリックの論文「哲学の転回」がその巻頭を飾る。シュリックは「形而上学の消滅」を宣言し、ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』のうちに「哲学の決定的な転回」(言語論的転回)を見、「偉大な探究者=哲学者」の典型をアインシュタインに見ている。しかしアインシュタインは1930年11月28日のシュリック宛の手紙において、シュリック「現代の物理学における因果性」の論理実証主義に対して、「『形而上学者』アインシュタイン」を対置している。その一か月後、シュリック宅においてウィトゲンシュタインはハイデガー形而上学への共感を語る。とすれば「形而上学(ハイデガー)対反形而上学(ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン)」という対立構図でなく、「20世紀の形而上学(ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン)」という枠組みとして捉えることができる。
このように捉えられた20世紀の形而上学に、ライプニッツ形而上学と不変量論から光を当てた。さらに改めて、ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、アインシュタインをそれぞれ形而上学者として描いた。そして展望として20世紀の形而上学がカント哲学と深く結びついていることを指摘し、カント(コペルニクス的転回、超越論的哲学)に立ち返ることを試みた。その成果は研究報告書「20世紀の形而上学(ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン)」として提出した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] カントとヒュームと現象学2012

    • 著者名/発表者名
      細川亮一
    • 雑誌名

      哲学年報

      巻: 71 ページ: 75-99

  • [図書] 要請としてのカント倫理学2012

    • 著者名/発表者名
      細川亮一
    • 総ページ数
      345
    • 出版者
      九州大学出版会

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公開日: 2013-06-26  

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