研究課題/領域番号 |
20520024
|
研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
屋良 朝彦 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (90457903)
|
研究分担者 |
永澤 悦伸 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (40513057)
須長 一幸 新潟大学, 全学教育機構, 特任准教授 (10419955)
金光 秀和 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (50398989)
本田 康二郎 同志社大学, 商学部, 講師 (40410302)
|
キーワード | 科学技術倫理 / リスク論 / 予防原則 / リスク・コミュニケーション / リスク・エデュケーション / 薬害 / 不確実性 / 倫理学 |
研究概要 |
平成20年度の研究実績は下記の通り。 1.予防原則及びリスク論の哲学・倫理学的研究および事例研究 (1)研究代表者屋良は、予防原則の哲学的・倫理学的意味を研究した。また、事例研究として薬害エイズ事件の研究を行った。さらに、予防原則を医療現場へ適用するための意思決定モデルを構築した。これは、ブラットマンやトンプソンの意思決定モデルを応用した、不確実なリスクを前にした実践的推論モデルである。 (2)研究分担者本田は、人工物が市場経済を流通し、人々のライフスタイルを一変するほどに至るまで普及することに内在するリスクを分析することによって、科学技術のリスクを市場経済の仕組みとの関わりで論じるための議論の枠組みを提示した。 2.リスク教育のための基礎研究 (1)研究分担者須長は、高等教育改革におけるリスク教育の導入を視野に入れつつ、現在行われている中教審答申「学士課程教育の構築に向けて」の問題点を検討した。 (2)研究分担者永澤は、看護基礎教育並びに卒後教育での薬害回避に向けたリスク教育の現状について,先行文献の検討を行った。また、研究代表者の薬害エイズ事件研究への助言を行った。 (3)研究分担者金光は、リスク教育の基礎研究として、現状の技術者倫理教育で用いられている方法論、および技術者倫理で重要視される「公衆の安全」をめぐる議論を検討した。これは、リスク教育の構成要素を考えるさいの基盤として重要なものである。 3.以上の研究成果は、後述の論文、著書、学会等で発表された。その他、科研費によって予防原則研究会(8月23日、3月24日)を2度開催した。特に、3月24日の研究会では桜美林大学坂井昭宏教授による特別講演「暴走電車問題のメタ倫理学的考察-リスク評価への-視点-」も行われた。
|