米国の看護倫理史から看護倫理が19世紀末にすでに議論され、倫理綱領にいたっては1920年代から試案が出されていたことを確認できた。看護の分野では、専門職としてのあり方の問題として倫理が早期から検討されてきたが、その後原理原則を中心とした生命倫理の考え方が普及するにつれ、看護倫理も具体的な問題解決に向けた原則の議論に重心が移った。しかし同時に、対人支援の専門職としては患者にコミットする姿勢そのものが問われざるをえず、それを適切に主題化するのがケアリングという倫理的価値すなわち徳であることを今回の研究では明らかにすることが出来た。
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