研究課題/領域番号 |
20520056
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲場 圭信 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (30362750)
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研究分担者 |
櫻井 義秀 北海道大学, 文学研究科, 教授 (50196135)
大谷 栄一 佛教大学, 社会学部, 准教授 (70385962)
濱田 陽 帝京大学, 文学部, 准教授 (70389857)
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キーワード | 宗教学 / 利他主義 / 宗教の社会貢献 / ソーシャル・キャピタル |
研究概要 |
本研究は、制度、組織、社会と個人の各次元から包括的にソーシャル・キャピタルをとらえ、欧米、タイ、韓国など海外との比較により、日本の宗教が担う社会的な役割の特徴を明らかにした。3割以下と宗教人口の少ない日本においても、宗教の社会貢献活動が活発化している。その内容は、災害時救援活動、発展途上国支援活動、平和運動、環境への取り組み、地域での奉仕活動、医療・福祉活動、教育・文化振興など非常に多岐にわたる。しかし、直接的に目に見える社会的実用性のみではなく、寺院や神社など宗教施設が、地域社会での居場所、交流の場、安らぎの場、イベントや福祉活動の場、市民との交流の場として機能している事例から、西欧やタイなどの東南アジア諸国とも異なる独自のあり方で、日本の宗教がソーシャル・キャピタルとして機能する可能性が示唆された。 折しも、本研究期間の最終段階で、3月11日、東日本大震災が発生した。多くの犠牲者、被災者に宗教者が寄り添っている。これらも今後の研究課題であるが、その情報・データは、本科研のメンバーが設立した「宗教者災害救援ネットワーク」http://on.fb.me/gNUVkBに集積されている。 本年度は、3年間の研究期間の最終年度にあたり、研究会、学会発表、シンポジウムなどを企画し、最終報告書の作成が主な取り組みであった。研究成果の情報発信として、電子ジャーナル『宗教と社会貢献』Religion and Social Contribution (ISSN : 2185-6869)を刊行する作業を進めた。平成23年4月に刊行予定である。研究の成果を幅広く発信するために、無料のオンライン刊行とする。研究の成果を、学術書として刊行する予定である。
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