本研究は、四世紀に活躍したカッパドキア教父の救貧思想とその実践を主題とする。カッパドキア教父とは、大バシレイオス、ナジアンゾスのグレゴリオス、そしてニュッサのグレゴリオスの三名を指す。2008年までにニュッサのグレゴリオスの救貧思想については一定の研究を実施してきたが、その限界を感じ、これを彼の兄弟バシレイオス、友人ナジアンゾスのグレゴリオスにまで広げて研究する必要を自覚して、時代ならびに地域を共有した三人の教父の救貧思想を全体的に研究することを志した。 四年計画としたのは、最初の三年で一通り三名の救貧思想を検討し、最終年で全体的な考察、ならびに研究過程で見えてくる新たな問題などを考察するためであった。
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