研究概要 |
最終年度に当たる平成22年度は、昨年に続き、6月に交付決定を受けてから、「研究実施計画」に基づき、まずは諸本および諸注釈の調査と蒐集を行ってきた。その際はこれまでの研究を踏まえつつ、諸本の所在に関する確認作業を中心に行った。他方、本研究に関する寺院の調査も行ったが、それらの調査を通じて、文献研究と共に、実地調査の必要性も再度確認できたのである。 また、本研究に関する成果の一部を国際会議で発表してきた。6月に台湾大学で開催されたThe Second Annual Meeting, 2010 Society for Cultural Interaction in Asiaにて"Dogen and the Chinese Chan-Buddhism" On the Identity and Difference Between Dogen and Ru-Jing about Cultivation & Enlightenmentと題する発表を行った。9月に広州で開催された「禅宗六祖文化節」のシンポジウムで、「禅宗研究第一人者:柳田聖山と中国禅宗史研究」と題する研究を発表、中では特に柳田禅学における道元研究の意義が強調された。3月末~4初旬にハワイで開催されたAssociation for Asian Studies 2011 Conference"の際、アメリカの大学の友人と共同でNew Directions in the Study of East Asian Zen Buddhismというパネルを企画し、The Zen Oxherding Pictures and Kyoto-School Philosophy"を発表する予定であったが、3.11の地震のため、要旨のみの発表となってしまった。とても残念なことである。 文献調査と寺院における実地調査および国際会議での発表などができたことの意義は大きく、今後の研究の進展には大いに寄与するものと考える。
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