本研究は、2007年7月刊行の拙著『江戸の転勤族-代官所手代の世界-』(平凡社)において明らかにした、江戸時代における「天領」(幕府の中・下級実務官僚である郡代・代官による直轄支配地、郡代領・代官領の総称)の学問と文化の構造とその展開についての学説を、多角的に再検証し、より確実なものにすることを目的とした研究である。 研究を進めるにあたっては、学問・思想形成の基礎をなす諸種「書物」の入手と享受の実態への検証を端緒にし、代官所とその周辺に住む広義の「学問者」の「知」の構造を思想史的に考察することを目的とする。
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