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2009 年度 実績報告書

西欧各国及び東アジアにおける受容から見たニーチェ-耽美主義とナショナリズム

研究課題

研究課題/領域番号 20520077
研究機関東京経済大学

研究代表者

三島 憲一  東京経済大学, 経済学部, 教授 (70009554)

キーワード近代化 / ニーチェ / ポスト構造主義 / ナチズム
研究概要

前年度にはじめたニーチェとダヌンツィオと三島由紀夫の関係について一定の見通しが得られた(平成22年3月20日にベルリン自由大学における三島由紀夫シンポジウムでゲストスピーカーとして講演の予定)。また、韓国におけるニーチェ受容についての資料収集も現地で行い、目下分析中である。
さらに、ハイデガーの見たニーチェ、ローティの見たニーチェ、デリダの見たニーチェというように、思想方向ごとのニーチェの読み方の原因や背景の考察を勧めている。やはり、ナチズムとの近さと遠さがニーチェの読み方に大きな影響を与えていることがわかる。これについては、来年度中に一冊出版予定である。ナチスを直接に経験していないアメリカのローティなどは、ニーチェとナチスの関係には比較的寛容であるのに対して、ハーバーマスなどは、ナチスとの関係を抜きにした読み方は不可能であると考えている。アメリカではイサドラ・ダンカンのように、デモクラシーと芸術の関係を強化するためにニーチェから学んだような例もある。こうしたデモクラシーとニーチェの関係は、ナチズムを経験したドイツの識者には想像を絶するところが重要である。
今年度は特にドイツとフランスの受容を中心にこの問題の深化をはかった。特にフランスのポスト構造主義におけるニーチェ受容は興味深いとともに、いささか自由連想の観がある。
また、交錯する近代の理論をアイゼンシュタットやアーナソンを参考に深め、こうした近代化論とニーチェ受容の関係をどのように組み合わせたら有効であるかについて、さまざまな考察を行った。交錯する近代と複数の近代(multiple modernities)は、現在国際的に最も広く議論されているテーマのひとつであり、この議論とニーチェの受容を関連させることは、生産的であると考えている。

研究成果

(3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 学会発表

  • [雑誌論文] Die japanische Nachkriegsaufklarung und die Rolle von Habermas2009

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Mishima
    • 雑誌名

      Blatter fur deutsche und intern. Politik 25

      ページ: 75-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「ニヒリズム」の話は無意味だからもうやめましょう2009

    • 著者名/発表者名
      三島憲一
    • 雑誌名

      大航海 22

      ページ: 46-58

  • [学会発表] Regression of the fin-de-siecle aesthetics to the radical nationalism Some Remarks to the theme Mishima Yukio and Nietzsche2010

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Mishima
    • 学会等名
      三島由紀夫シンポジウム
    • 発表場所
      ベルリン自由大学
    • 年月日
      2010-03-20

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公開日: 2011-06-15   更新日: 2016-04-21  

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