研究課題
基盤研究(C)
本研究の中心内容は、リシャール・シモンの著作『旧約聖書の批判的歴史』Histoire critique du Vieux Testament(1678;HCVT)における聖書研究の方法論の成立の過程を追うとともに、バルーフ・スピノザ『神学政治論』Tractatus Theologico-Politicus(1670:TTP)との比較を行い、後に聖書資料仮説を可能にした近代的「批判」概念・思想の発生を実証的に究明するものである。具体的には以下の作業を同時並行的に行っていく。第一にHCVTのフランス語および英語版のデータ・テキスト化を進め、詳細なテキスト分析のための環境整備を行う。第二にリシャール・シモンの伝記的側面について調査するとともに、HCVT、TTPの成立の背景となった16~17世紀のフランスを中心としたヨーロッパのヘブライ語および聖書研究の流れを整理する。第三にTTPのスピノサの聖書テキストおよびマソラーについての発言の分析を行う。第四にHCVTの詳細な読解を行う。以上の作業を経たうえで、最終的にHCVT,TTRの方法論を比較し、それがいかに後の聖書資料説および「批判」概念の発生につながっていったのか考察する。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)
京都ユダヤ思想、創刊準備号
ページ: 62-69
Traduction et Critique, Actes du Colloque international pour commemorer le 500eme anniversaire de la naissance d.Etienne Dolet(1509-1546)
ページ: 189-201
スピノザーナ 9
ページ: 83-90