印章と刻印のメタファー:西洋中世におけるイメージと視覚性に関する研究

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20520083
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 美学・美術史
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 木俣 元一 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00195348)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 西洋中世 / キリスト教 / イメージ / 印章 / 聖顔 / 刻印 / 美術 / 視覚性

研究概要

13世紀後半にイギリスで制作された『グルベンキアン黙示録』の挿絵に描かれた、神が持つ印章のモティーフの意味を三位一体とヴェロニカとの関係から解き明かすした。また、ペトルス・ロンバルドゥスやライヒャースベルクのゲルホーなどのプレ=スコラ学者による詩編第4編7節の註解のテクストと関連させながら、聖顔が個々の信徒の内面に形成する聖顔のヴィジョンを印章とそれによってロウに生みだされる刻印というモデルにより理解する可能性を提案した。

研究成果

• [雑誌論文] メディアとしての「聖顔」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 木俣元一
  • 雑誌名: 西洋中世研究 2 ページ: 21-35
  • 査読あり
• [雑誌論文] ウェロニカと印章:『グルベンキアン黙示録』の一挿絵をめぐって (2010)
  • 著者名/発表者名: 木俣元一
  • 雑誌名: 美学美術史研究論集 24 ページ: 59-92
• [雑誌論文] 西洋中世における「スポリア」 (2009)
  • 著者名/発表者名: 木俣元一
  • 雑誌名: 西洋美術研究 15 ページ: 154-168
• [雑誌論文] イェルサレム・コンスタンティノポリス・パリ:サント=シャペルとその装飾 (2008)
  • 著者名/発表者名: 木俣元一
  • 雑誌名: 西洋美術研究 14 ページ: 33-53
  • 査読あり
• [学会発表] 顔と顔とを合わせて (2011)
  • 著者名/発表者名: 木俣元一
  • 学会等名: 聖顔・痕跡・ヴィジョン、イメージとヴィジョン東西比較の試み
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2011-02-13
• [学会発表] 13世紀イギリス写本における「三位一体」図像 (2010)
  • 著者名/発表者名: 木俣元一
  • 学会等名: 『詩編』第109編のイニシアル装飾を中心に
  • 発表場所: 立教大学
  • 年月日: 2010-12-23
• [学会発表] メディアとしての「聖顔」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 木俣元一
  • 学会等名: 西洋中世学会大会
  • 発表場所: 名古屋大学
  • 年月日: 2010-06-27
• [学会発表] ウェロニカと印章:『グルベンキアン黙示録』(リスボン、グルベンキアン美術館MS L.A.139)の一挿絵(fol.13r)をめぐって (2010)
  • 著者名/発表者名: 木俣元一
  • 学会等名: 日仏美術学会例会
  • 発表場所: 東京日仏会館
  • 年月日: 2010-03-20