5月のダカール調査では、第9回展に加えて、第1回展から第8回展までを回顧する企画展が併催されており、同展の歴史を受賞作品に即して学ぶことができた。 その後、最終年度のまとめに入り、7月の九州藝術学会で研究発表を行った。同発表原稿を12月-1月に修正し、学会誌『デアルテ』に投稿。査読の結果、採用となった(2011年6月発行予定)。 当初の計画では、論文の投稿に先だって独自に研究報告・討論会を企画開催する予定であったが、5月末日、台北市立美術館より同館主催の台北ビエンナーレに連動した学術交流プログラムへの招待を受け、ロンドンのコートールド美術研究所教授、北京の中国美術学院美術館館長と意見交換の機会が得られたので、同プログラムへの参加に注力した。3時間にわたる討論(同時通訳つき)の成果は、同館発行の『現代美術』10月号に中国語で全文が記録、紹介された。 国内でも、あいちトリエンナーレの開幕記念シンポジウムの基調講演及び司会(8月)、福岡市美術館のレクチャー講師(2月-3月)の依頼を受け、研究成果の社会への還元とともに、自らの知見を検証する貴重な機会を得た。そのほか、瀬戸内国際芸術祭シンポジウム(8月)や広島市現代美術館学芸員による国際美術展調査報告(12月)の聴取によって知見を広げたほか、過去2回の日本人総合監督の企画を経て、初のシンガポール人総合監督の手による企画となった(=土着化)第3回シンガポール・ビエンナーレの調査(3月)も行った。 そのほか、昨年度に引き続き、各調査先で日々の調査・活動内容をブログ上に公開した。5月のダカール、9-10月の台北、釜山、光州、北京、3月のシンガポールについてリアルタイムで報告している。
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