1850年頃~1950年頃に活動した彫刻家とその作品の調査を、研究分担者、研究協力者とともに進めた。 このうち1850年頃から1907年については、2010年9月に国書刊行会から出版した『近代日本彫刻集成 第一巻 幕末・明治編』にまとめた。「江戸から明治へ」「最初の彫刻家たち」「工部美術学校と洋風彫刻」「銅像・記念碑」「「彫塑」の時代」「仏像修理と近代彫刻」の6章に分けて、それぞれの概説および約100点の作品図版を作品解説とともに収録したほか、収録作品の一部の写真撮影、同時代に活躍した彫刻家たちの「作家紹介」とそれに関する参考図版、通史、重要文献再録、年表、参考文献一覧の執筆・作成を行なった。 これと並行して1907年~1926年を扱う第二巻について準備を進め、「展覧会の時代」「生命と素材」「彫刻と公共空間」「「両大戦間期」の彫刻」「古寺巡礼の時代」「彫刻の境界」の6章に分けて、その概説と作品解説、作家紹介の執筆および参考図版、重要文献の収集や年表の編集、作品の写真撮影等を行なった。 また、1927年~1950年頃を扱う第三巻の予備的調査として、その時代に制作された彫刻作品、彫刻家および彫刻団体の活動、戦中期の彫刻の動向についての資料収集等を進めた。 そのほか、中平四郎ら大正~昭和期にかけて活躍した木彫家とその時代背景、また彫刻家以外の画家や文学者などが制作した彫刻作品についての調査・研究を行なった。
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