研究課題
近代日本における彫刻家の活動とその作品に関する調査・研究を、昭和前期(1927~1952年頃)を中心に研究分担者、研究協力者とともに進めた。それらの調査・研究については、2013[平成25]年5月刊行予定の『近代日本彫刻集成 第三巻 昭和前期編』にまとめている。同書では、一「構造と量塊」、二「「用」の造形の探求」、三「分散と収斂」、四「モニュメントと戦争」、五「戦争の時代の仏と神」、六「戦後へ」の6章に分け、それぞれの概説および約100点の作品図版と作品解説を収録した。このうち、一、三、六章はそれぞれ1927~1934、1935~1944、1945~1952年の時期の彫刻の動向を追い、二章では工芸と彫刻との関係、四章ではモニュメント・銅像などについて、五章では仏や神をテーマとした作品や仏像の模刻、修理に焦点を当てるなど、テーマ別に考察を進めた。また補説として、「近代日本彫刻の素材と技法」を執筆、収録したほか、収録作品の一部の写真撮影、同時代に活躍した彫刻家たちの「作家紹介」とそれに関する参考図版、通史、重要文献再録、年表、参考文献一覧の執筆・作成を行なった。以上の複合的な視点を組み合わせることで、15年間の長い戦争を含む昭和前期という時代の彫刻の全体像を浮かび上がらせることを目指した。さらに、全三巻を通しての図版一覧、再録文献一覧、年表人名索引、作家索引を作成し、同書が近代日本彫刻史について研究するうえでのデータベースとなることを目指した。そのほかに、明治期に建設された《仙台昭忠銅標》や、大正期から昭和前期に活躍した彫刻史家で批評家の田辺孝次についての調査・研究など、研究代表者、研究分担者、研究協力者がそれぞれ、個々の関心に応じて近代日本彫刻史に関する調査・研究を進めた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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美術手帖
巻: 64(697) ページ: 23,70,75,167
国華
巻: (1400) ページ: 46-48