研究概要 |
本年度は,前年度同様に海外、特にベルリン・ブランデンブルク科学アカデミーの研究者・R.ヘッカー氏及びベルリン在住の個人収集家・H.ヒュープナー氏の協力も得て,主として比較的最近のマルクス・カリカチュアなどの図像資料を調査・画像収集し、ヘッカー氏と共同で精査・検討を行った。欧米では広告も含め、様々なメディアでマルクス図像が使用されていることが次第に明らかになった。また、日本におけるマルクス画像を調査するため、戦前の新聞(今年度は「朝日新聞」に限定)に掲載されたマルクス関係の画像の調査を実施した。日本においては、ここ数年、「資本論」「共産党宣言」をはじめ、マルクス関係図書のマンガ化が目立っており、これらの図書についても過去にさかのぼって調査・収集・分析を行った。 これらの調査・収集作業を踏まえ、前年度に収集したマルクス関係写真・図像も含め、図像データベース作成に向けて以下のことを行った。 (1)ドイツ語圏・英語圏のものを中心とするマルクス画像の整理および図像データベースへの追加作業を行った。 (2)主としてベルリン在住の研究協力者(ヘッカー氏)及び収集家(ヒュープナー氏)と共同で近年のマルクス関係図像資料を収集した。これらの資料の検討を、ヘッカー氏と共同で平成22年3月に行った。 (3)資料の書誌的データの翻訳・整理・分類、収集画像の画像処理などを行い、最終年度に向けた補完作業を実施した。
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