研究概要 |
本研究は、様々なメディアの中で流布している「カール・マルクス」という哲学者・経済学者の視覚的イメージが表現されている「図像」において、使用されているマルクスの図像がそもそもどのような種類のものであり、それはどの写真・肖像画に基づくのかを確定し、それがカリカチュアなどの技法によってどのように表現されているのか、また、それは時代・地域・メディアによっていかなる差異を生み出しているのかを分析・解明することを試みるものである。同時に、歴史の過程でマルクス・イメージのステレオタイプ化が生じており,その類型化を試み,また,ベルリンの壁崩壊後,マルクスのイメージがどのように変化したのかをカリカチュアなどを通して解明しようとするものである。今年度は、前年度同様に海外の研究者の協力を得て、主としてカリカチュアなどの図像資料を調査・収集すると同時に、ベルリン在住の研究協力者の個人蒐集家および他の研究機関が所有している資料の継続調査・画像採取を行った。今年度は本研究の最終年度であり、2000年以後の資料を中心に収集整理を行うとともに、これまで収集整理したマルクス図像のデータベース完成に向けた以下の作業を行った。 (1)前年度までに収集した各種のマルクス画像の整理・分析を行った。 (2)ベルリン在住の研究協力者(R.ヘッカー氏)の協力を得て、マルクス図像資料の調査・画像採取を行った。 (3)ヨーロッパを中心とするマルクス図像の調査・収集を行った。 (4)最終的なデータベース作成のための画像の調整などの最終作業を行った。 ・資料の書誌的データの翻訳・整理を行った。 ・収集画像の画像処理を行った。 ・公開に向けてのデータベース作成を行った。
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