ヨーロッパにおける近代芸術の改革者であるドイツの舞台音楽作曲家リヒャルト・ワーグナーの仕事を、音楽と舞台の両面から理解することはもとより、19世紀ヨーロッパの政治、文化、社会、宗教的な脈絡において理解し、ひいては西欧近代(モデルネ)という現象を明らかにすることを目的とする。そうしたワーグナー研究において基本的文献である『コジマの日記』を読み解き、日本語に翻訳して刊行するとともに、ワーグナー作品のなかでも「ロマン主義」オペラと呼ばれる3作品について音楽とドラマの相互浸透を跡づける訳注/音楽注を付した対訳書を刊行することを目標とする。
|