1.基本プランの再検討と表面処理着色法の実施内容を再確認し、着色効果で欠落していた鋳銅見本を再製作した。特に真鍮系の見本を再鋳造した。 2.鋳銅見本の本製作を開始する。前年までの旋盤加工された鋳銅見本を研磨工程に移行する。上面が平面のため、研磨作業は難航する。旋盤加工の傷を取るためのベルトサンダー加工に熟練を要し、製作のスピードは大幅に遅れた。また、真鍮等の結晶の析出のための研磨は、高い研磨度を要求され、なかなか目的を達成できなかったが、最終的には納得のいく成果をあげることができた。 3.鋳銅見本の熱処理加工に移行し、ミソ焼、素焼を実施。実施個数は80個ぐらいに及ぶ。概ね目的は達成できたが、素焼の朱銅を析出させることは十分とは言えなかった。 4.各種着色を実施。太陽光での緑青着色は、予測の範疇を大きく逸脱した結果となったため、全面的にやり直しとなった。他はほぼ予測通りに順調に進んだが、量が多いため時間は膨大にかかった。 5.蛍光X線装置を用いて、各鋳銅見本の合金分析を実施した。当初予測していた合金割合よりも亜鉛量の変化が著しく、だいぶ割合に減少傾向の変化のあるものがでた。 6.本研究の全体的まとめを実施。75ページの研究成果報告書を作製した。
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