研究課題/領域番号 |
20520116
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
北郷 悟 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (70242394)
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研究分担者 |
木戸 修 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (10126302)
橋本 明夫 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (10237927)
井上 洋一 東京国立博物館, 事業部・事業企画課, 課長 (60176451)
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キーワード | 芸術表現 / 立体 / 彫刻 / アナログ / 人間 / デジタルデータ |
研究概要 |
本研究は、研究1、研究2、研究3の3研究で実施した総合研究である。 ■(研究1)重要文化財をデジタルデータに。 デジタルによる新しい表現方法の開発や古美術収蔵品を詳しく解析調査を行う為に最新技術を導入し、各分野の芸術専門の視点から新たな研究開発を行った。 東京藝術大学所藏の『女』(石膏複製)、東京国立博物館所蔵の『女』(原型、重要文化財)、国立近代美術館収蔵の『女』(ブロンズ)の3点をデータ取得し、それぞれの歴史的背景や表現の実態を探った。 ■(研究2)重要文化財に"触れる"? (研究2)では、優れたデジタルから忠実よる素材復元を行い、鑑賞者の「見る」だけではなく「質感に触れて感じる」などの、「芸術の素晴らしさを伝える」を目的としている。 この度の展覧会の特色の一つでもある、デジタル研究から生まれた成果として"触れる"展示は、碌山作『女』(東京国立博物館所蔵重要文化財)から三次元データを取得し、原寸大の新たを複製ブロンズを鋳金工房にて制作。当時の真土鋳造技法を復元研究する等、成果の範囲はデジタルからアナログへと展開し広く芸術の質感が感じとれる"触れる彫刻"として展示発表をした。 これまでの棚こおける高度な専門実技教育の中から培った表現の研究経験を活用して完成された三次元デジタルデータは、アナログとデジタルの融合したこれまでにない優れたデータを生み出した。さらにそれらは専門の鋳造技術によって収蔵品の芸術性を再現し「触れる彫刻」として実現した。これら研究によって作成されたデータは、アーカイブのみならず教育普及利用としても今後大きなが期待が持てるものである。 ■(研究3)数値計算による抽象彫刻制作の考察と可能性 この研究ではコンピュータを使用して数値計算をおこない、三次元空間での形をシミュレーションして展開図を計算し紙で作図した。その展開図をもとに紙エスキースを製作し、金属板(ステンレス)を用いて実際に彫刻を制作した。 数値計算による仮想空間での形体の作成は、実際の素材や材料の制約がないため自由に形体の構成が行える。しかし実際に彫刻として制作する際は材料の性質や制約また構造や制作技術の問題など様々な考慮が重要となる。本研究では仮想空間でのイメージを現実空間での彫刻として制作し、この方法でしか制作し得ない形の独自性や美しい形体の探求を行い、実際に制てかすることによって得られた問題点や課題から数値計算にわる抽象彫刻製作の可能性を探った。
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