研究概要 |
本研究は日本を代表する創作バレエ作家(振付家)の一人として佐多達枝を取り上げ、佐多氏本人の積極的な協力の下に、その作品と関連資料の、再演を目的としたドキュメンテーション(舞踊記譜法による記述を含む)を行いアーカイブ化し、海外に向けて発信していくことを目的とする。また、その過程を通じて、これまで日本で試みられていない日本人近現代の創作バレエの作家に関するアーカイブの基盤を構築、日本の近代創作バレエの特質についても考察を行う。 本研究の特徴は、作品の映像記録だけではなく、振付の過程であるリハーサル映像の記録、舞踊のスコア(舞踊譜)、作家へのインタビュー記録などの多様なデータを含む、再演を目的とした新しいタイプのアーカイブ構築を行う点である。 本年度は、2年目であり、研究計画に沿って、「庭園」の振り付けノートの整理と画像データ作成作業を中心に行った。振り付けノートの画像データ化作業については、佐多氏本人より原本を貸与いただき、研究協力者らとともに画像スキャンを行った。振り付けノートの整理については、研究協力者に委託した。 国内では、「創作バレエ作家佐多達枝の創作過程のドキュメンテーションとアーカイブ化」と題して2009年度アート・ドキュメンテーション学会年次大会において成果の発表を行い、海外では、「The Digital Archive of the Works of Ms.Tastue Sata, a leading Japanese creator of Modern Ballet」と題してThe 26th Biennial Conference of International Council of Kinetography Laban/Labanotation(ICKL)において成果発表を行った。
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