1. 内容 本研究初年度にあたる平成20年度は、チューダーに関する基礎データを収集するとともに、それらの情報を一括管理するデータベースの構築作業をおこなった。国内では、東京芸術大学附属図書館および国立音楽大学附属図書館における計3回の調査をおこない、平成21年2月〜3月には、アメリカ、ロサンジェルスのGetty Institute Research Libraryにて、特別コレクション「David Tudor Papers」の第1回調査をおこない、チューダーが保管していた自身の演奏会プログラムをすべて閲覧した。これらの調査を通じて得られた、約1200件のチューダーの音楽活動およびアメリカ実験音楽に関する情報は、すでにデータベースに入力済である。 2. 意義と重要性 「David Tudor Papers」の演奏会プログラム等の調査を通して、チューダーの生涯にわたる活動の全貌を把握し、本研究の方向性を定めるための情報を得ることができた。次年度以降は、ケージとの密接な恊働に注目しつつ、ケージとの出会いの前、そして恊働後の活動をつらぬくような、チューダー独自の演奏哲学の存在を視野に入れて、より具体的な演奏の実態の解明にむけて調査研究を進める予定である。
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