1)研究代表者(龍村)は平成20年度中に2回のフィールドワークを行った。 20年度は科研費の予算が少なかったので、かなりの研究を私費で行わねばならなかった。 (1)9月12日〜9月19日、ウズベキスタンのタシケント、サマルカンド、ブハラなどにおいて伝統芸術文化について予備調査を行った(全面的に私費)。ウイグルと同じくテュルク系民族であり、歴史的にも関係が深いウズベキスタンには、ウイグルと同じく<ムカーム>と呼ばれる伝統音楽があり、楽器も共通するものがある。ムカームはウイグルのように12の体系にではなく6つの体系に整理されていて、やはり世界無形文化遺産となっている。ギジェック(擦弦楽器)を私費で購入。イスラーム美術の美的感性と音楽的感性の繊細さに共通性が感じられた。(2)3月24日〜4月7日、中央アラブ文化圏の中心であるエジプトの音楽文化について同じく予備調査を行った(航空券代と宿泊費の一部を科研費で支出)。カイロで2種類の伝統音楽の演奏をビデオ実録、およびアザーン、クラーンを録音、コプト教会、ユダヤ教会など訪問、私費で研究資料収集。アレクサンドリアで図書館訪問、研究資料を私費で収集。ルクソールで古代芸術文化に関する研究資料を私費で収集。 2)研究代表者は2つの論文を発表した(裏面11)。(1)「地球文明時代の芸術-音楽と<自然>と信仰の問題を考える」(2)「中央・西アジア音楽文化の比較研究に向けて-ウイグルの伝統を中心に」(『民族藝術』) 3)ウメル氏によりムカームの一部の採譜が提出され、謝金を支払った。 4)龍村あや子・小柴はるみ・谷正人により研究会1回行い、意見を交換し、今後の予定について話し合った。イスラエル在住の屋山久美子は、出産のため来日できなかった。
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