研究課題
基盤研究(C)
橋梁は、建築物とは異なり単体では存在しない。その側面観は通景(vista)にアイ・ストップを設け、正面観は奥行きへの軸線を導き、ふたつの異なる空間を結び、分ちつつ美しい景観を構成する重要な要素であることは、現実の名橋、美術作品中のモチーフにも検証される。にもかかわらず、近年の京都市景観条例は橋梁の意義を看過している。他の地方との比較検討の結果、突出した自己主張を嫌う京都の美意識に沿い、穏やかな自然景観に融合し通景を遮断することなく両岸を結ぶ穏やかな色彩と様式が模索されねばならないのではないか。