研究課題/領域番号 |
20520144
|
研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
水藤 龍彦 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (60131413)
|
研究分担者 |
中村 啓佑 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (40079398)
新谷 好 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (40206321)
増崎 恒 追手門学院大学, 国際教養学部, 講師 (80434819)
|
キーワード | ジャポニスム / ワイルド / 浮世絵 / フェノロサ / キク・ヤマタ |
研究概要 |
今年度は4回の研究会を行った。 1) 浮世絵への評価をめぐって-ゴンス、フェノロサ、ブリンクマン(2010年7月26日水藤龍彦) 2) イギリスのジャポニスム-造形表現の視点から(2010年12月18日小野文子) 3) ワイルドのアメリカ講演旅行とジャポニスム(2011年3月7日新谷好) 4) 二つのジャポニスム-キク・ヤマタ、文芸と国策のはざまで(2011年3月18日中村啓佑) 1) フェノロサの浮世絵に対する評価の変遷を中心に、仏独米出身の3者の見方を比較し、日本ではあまり知られていないブリンクマンの見方の妥当性を確認した。 2) イギリスにおけるジャポニスムの動向に詳しい小野文子氏(信州大学准教授)に、イギリスのジャポニスムの特質をフランスのそれと比較しながら、語っていただき、貴重な意見交換を行なうことができた。 3) 下記の同名の論文参照。 4) 両大戦間のフランスで「ラ・ジャポネーズ」と呼ばれ、かつてのジャポニスム時代の日本を体現したキク・ヤマタ(日本人の父とフランス人の母を持つ)は日本では山田菊として、30年代後半には国策に協力した。その運命から、ヨーロッパ各国と日本の関係の変転が読み取れる。 今年度に発表できた論文は残念ながら下記の一本「ワイルドのアメリカ講演旅行とジャポニスム」である。これによると、ジャポニスムが家庭の室内にまで浸透したアメリカを講演のため訪れた唯美主義の伝道者ワイルド自らも日本の文字や製本術に惹かれ、日本への旅をも熱望していた。
|