人の精神的な病みの状況は、その人のチョットした日常行動やその人の身の回りの環境に自ずと表出される。特に、服装や部屋のインテリア空間に顕著に表れ出る。とりわけ、個室のインテリア空間は直接的に住人の生活行動が反映される場でもあるが(このことは過去多くの研究者によって扱われてきた)、それ以上に精神や心理、あるいは病理などが自ずと表出される空間である(本調査研究での主たるテーマ)。 それは他者との関係の上で自己や自我の投影に深くかかわった環境領域だからである。すなわち、これはインテリア社会心理学(あるいは空間病理学)という新たな学際領域として扱えられるべき領域なのである。 近年、引きこもりや青少年の犯罪など、精神に病みを持つ若者達が大きな問題となっている。そうした者の住まう住宅の自室等をメディアなどの情報から調査した結果、決まってその住人と空間との対応関係に通常とは異なった不適合・不具合がみられる。この因果関係は
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